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発達障害:アスペルガー症候群
レオ・カナーが自閉症についての発表をした1年後の1944年オーストリア、ウィーンの小児科医ハンス・アスペルガーが、「小児期の自閉的精神病質」と題した論文を発表したことに端を発します。アスペルガー症候群は、1944年にハンス・アスペルガーにより「自閉的精神病質」として報告されたものです。
アスペルガーの報告以前は、自閉症といえば国際的にカナーの自閉症を指しており、日本でも同様でした。アスペルガーの報告がカナーの報告と大きく異なっていたわけではなく、違いは次の点でした。表情や身振りといった表現に乏しいこと、計算などの特定領域に優れた能力を有していること、社会性の欠如、言語表現が自然でないこと等です。
アスペルガータイプの子ども達はカナータイプと比較すると偏りのある特定能力に秀でている、形の整った言葉を形式的にはしゃべるが、微妙な皮肉とか冗談がわからないなどコミュニケーションの問題や対人関係などの社会性の問題、興味の範囲が限定されている等の問題が報告されたのでした。
後々、アスペルガー症候群として名を遺したアスペルガーの「自閉的精神病質」は、この時点では国際的にほとんど関心がもたれませんでした。
国際的に注目されるようになったきっかけは1981年にイギリスのウイングがアスペルガーの論文を紹介し再評価を行ったことでした。ウィングらは、1979年に自閉症と同じ発達的な不全を根底にもつのに、一般的な自閉症(カナー症候群)に合致しないために自閉症との共通点が認識されていない人たちがいることを確認しました。こうした人たちも自閉症と同じように必要な支援が受けられるよう、アスペルガーの論文を再整理して、1981年に「アスペルガー症候群」という診断名のもとに、自閉症との類似性について報告しました。ウイングの再評価したアスペルガー症候群の概念はイギリスを中心に急速に広まっていきましたが、知能が比較的高い例がアスペルガー症候群と診断されることが多いこともあって、実質的には「知的障害がない自閉症」と同義でアスペルガー症候群の用語が用いられることが増えていきました。世に広く認知されることになると、精神疾病の2大診断基準となっている世界保健機関(WHO)とアメリカ精神医学会(APA)のそれぞれにおいて診断分類のなかに正式に取り上げられるようになりました(1992年、1994年)。
ウイングがした仕事は、アスペルガー症候群をカナータイプの自閉症と連続した障害として位置づけたことにあります。そしてアスペルガー症候群を従来の自閉症とともに援助する必要があるとしたのでした。現在ではイギリスを中心にウイングの考え方が広く受け入れられています。
ウイングらは、「カナータイプの自閉症」(「典型的自閉症」)と、「アスペルガー症候群」(「アスペルガータイプの自閉症」)の2種類に名称を分割しました。
アスペルガータイプとカナータイプは連続した一続きのもので、その境界は曖昧です。どちらのタイプの自閉症も社会性・コミュニケーション・想像力の障害があるのです。アスペルガーの特徴とカナーの特徴を同程度に併せ持っている子どももいます。こういった場合にはアスペルガータイプかカナータイプか二者択一的に議論するより自閉症スペクトラムと幅広く捉えて援助の方法を考えたほうが有効とされています。
高機能自閉症とアスペルガー症候群との関係については、現在でも、高機能自閉症とアスペルガー症候群を厳密に区別すべきとの見解と、少なくとも臨床的には高機能自閉症とアスペルガー症候群を厳密に区別する必要はないという2つの見解があります。
アスペルガー症候群の神経科学的知見
神経科学的解明は、まだ結論的なところまでに至ってはいませんが、以下の2つの仮説が特に注目されています。
(1)認知機能説
この仮説では、前頭前野に問題があるとし、そこでの作業記憶などの支障が、行動を実行し監視する機能を低下させ、その結果として対人関係の調整などに問題を引き起こすと考えるものです。
(2)情動機能説
この仮説では、扁桃体や辺縁系に問題があると見ます。特に情動に関わる部位としての扁桃体や、海馬その他の辺縁系が推定されます。情動システムに問題があると考えるものです。
これら2つのみでなく、認知と情動の連携に問題があるという考え方もあります。
アスペルガー症候群はプログラム化されたものではない?
独特のこだわり行動は、個々に大きく異なっていることに気づかされます。通る道、コップの水の量、教室の椅子の数などへのこだわり、体育の参加への強制への抵抗へのこだわり、遊びの計画へのこだわり、などなど、千差万別です。
それでは、その異なる行動パターンは、何からきているのでしょうか。発達の基底にある障害がほぼ共通であったとしても、そこから生み出される行動は、異なった表現型をとると考えられます。これは生物学的に予めプログラムされたものではなく、自己組織化により周囲条件に合わせて生成されるものと考えられます。
例をあげますと、集団からの回避、パニックからの回避等について、適応的な行動生成ができないならば、この回避という問題行動を自己組織化すると考えられます。これは生物学的に事前にプログラムされているものではありません。個人毎に、その状況によって異なる表現型をもって、こだわり行動となっていくのです。
こだわり行動が自己組織化によるものとすると、環境条件や教育によって、結果としての行動態様がかなりかわってくるものと考えられます。早期からの環境条件や教育が重要なゆえんともいえます。
参考:自己組織化
水の中に入れられた角砂糖の分子は. 時間とともに拡散して砂糖水になり,子どもたちが遊びで作った砂のお城もいずれ崩壊してしまうであろう。 秩序のあるものはやがてその秩序を失うし,新しい物も時間. とともに次第に古ぼけてしまう。これとは逆に,時間とともに脳の神経システムがある秩序を形成すること、これがここでの自己組織化である。
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