モンテッソーリによれば、おもちゃは子供の生活にとって価値の劣るものとされています。モンテッソーリの子どもの家には、きれいな人形等子どもが関心を持ちそうなものを置いていたが、関心を示さなかったそうです。これは、子ども達は自分の発達によい刺激を本能的に知っているからと説明されています。

私の現場の経験からすると、確かに子供たちは、自分の発達にとって良い刺激を本能的に知っている感じがします。それを与えてくれる大人になつくのです。

しかしながら、今日のおもちゃで同じ議論が成り立つのでしょうか。子供達の本能だけでは戦えない、特殊な刺激が存在していると考えます。人工知能による大規模データ分析が驚くほど進んだ今日においては、本能を打ち負かすような刺激を脳の特定部分に与えることも可能となっているのです。例えば、電子ゲームです。人工知能によって分析された有効な刺激によって子どもがはなれられなくすることは容易なのです。発達障害傾向があれば、それにさらに輪をかけます。モンテッソーリの時代とは異なり、子どもをターゲットとした大規模ビジネスが手段を選ばずに、子供たちにおそいかかってくるからです。

今日においては、子供に与える”おもちゃ”ついては、大人が相当程度の判断力を持っている必要があります。