モンテッソーリ教育の出発点　発達障がい

　発達障がいとは、自閉症（または、広汎性発達障害、アスペルガー症候群、自閉傾向）、注意欠如多動性障害（または、多動性障害、ADHD）、学習症（またはＬＤ）などの総称です。

　発達障がいの歴史は、１８８４年にルドルフ・ベルリンによってディスレクシア(読字障害)が報告されたことに始まりました。そして、１９４３年には精神科医レオ・カナーにより「早期幼児自閉症」として「自閉症」が報告されました。翌年には小児科医ハンス・アスペルガーによって発達障がいのひとつである「アスペルガー症候群」が報告されています。現在でも正確な原因など解明されていないことも多く残されています。　　

　発達障がいの範疇である「学習症（ＬＤ）」や「注意欠陥／多動性障害（ＡＤＨＤ）」などの症状についても２００年ほど前から例はありましたが、日本においては３０年ほど前から社会的な理解が深まり始め、２００５年には「発達障がい者支援法」が施行されました。

　発達障がいは、園児・小学生・中学生などの日常生活の中で接することが多くあり、めずらしいことではありません。状態により正確に理解しようとする周囲の対応が大切です。　

　また、発達障がいである場合でも、「高機能性自閉症」など知的な障がいを伴わない場合など、発達障がいを伴う人物の周囲が気づかない場合や、発達障がいを伴う本人でさえ大人になり初めて気づく場合（大人の発達障がい）もあることに注意が必要です。